- CASE

東証プライム上場IT企業様

中立的な移行性アセスメントで「適材適所」のクラウド移行を実現。 同時進行で運用改善も行い、TCO40%削減を達成

コンサルティング

Oracle Exadataに統合した20のデータベースの移行性調査を「フラットな視点」で実施

顧客は新規事業や新規サービスを次々に立ち上げている成長著しい東証一部上場のIT企業です。同社は、システム数が20に達した時点で、データベースをOracle Exadataに統合し、集中管理するという方針を決定しました。

当時、同社のシステムは構築・運用効率を高めることができる優れたソリューションでしたが、クラウドの出現により、自社にとって更にコストパフォーマンスに優れたアーキテクチャがあることを発見し、クラウドに着目し始めていました。そして、クラウド上のオープンソースベースのPaaSを利用することで、コストを大きく削減しながら品質を上げる可能性について、アクアシステムズに調査を依頼しました。

同社がアクアシステムズに期待していたことは「フラットな視点で、自社に最もメリットがあるデータベースを判断したい」ということ。20のデータベースが適材適所になるよう、クラウド、オンプレミス問わず判断するという前提で検討を行うことにしました。

この前提の背景にある考え方は「新規事業はシステム成長が読みづらいため、柔軟にリソースを変更できる基盤が適している」ということ。必要リソースが一定で、移行コストが高いと判断されるデータベースは、オンプレミスでOracle EE の機能を徹底的に使うという姿勢を選択し、データベース全体として、コストコントロールが効く構成や組み合わせにすることを目的としました。

移行性アセスメント結果を元に、「適材適所に」データベース配置を決定

同社は、MySQLができる開発者を多く抱えていたため、オープンソースのデータベースとして移行性に大きな差がないようであれば、MySQLを優先的に検討したいという意向を示していました。アクアシステムズがExadata上のデータベース移行性についてアセスメントを行った結果、次の3つのグループに分類されました。

1つ目の「Oracle EE(Enterprise Edition)独自機能への依存度が低く、MySQLへの変換コストも低い」というアセスメント結果が示されたデータベースは、AWSのRDS for MySQLに移行することにしました。ツールによる移行等で効率よく移行できると判断されたデータベースが全体の60%を占める結果になりました。

残りのデータベースのうち30%を占める「Oracle EE 独自機能への依存度は高くないものの、MySQLへの変換コストが高い」データベースは、今後数年間に発生するライセンスコストと変換コスト等を試算して、Oracle SE2(Standard Edition2) にダウングレードすることが最も有利という結論に達しました。

変換コストに影響をおよぼす大きな要因は、SQL仕様の違いに加えて、性能劣化するSQLのチューニングコストの高さでした。アセスメントの結果、Oracleの優秀なオプティマイザによって性能が出ており、オープンソースでは性能劣化するSQLが多く発生すると結論付けました。

そして、残りの10%は、「Oracle EEへの依存度が高く、移行の実現性が乏しい」と判断されたため、Oracle EE独自機能を活用して開発生産性向上と運用効率化を目指すことにしました。

複数の事業部にまたがるデータベースの移行には、段階的に実施するアプローチ・計画を採用

移行プロセスをどのように計画するかという点も、同社にとって重要なポイントでした。20ものシステムの管掌部門は複数の事業部にまたがっており、事業部ごとに、競争力向上や収益力向上に最適な、システム開発のマスタースケジュールを作っています。インフラ移行の都合に合わせ、同タイミングで移行予定を立てるのは難しい状況でした。

品質を保ちつつクラウドに移行するための変換やテストにも時間がかかります。さらに、利用しているOracle Exadata のサポート切れの期間が近くなっているという事情もありました。そこで、一定の移行期間を設けて段階的に移行できるよう、Oracle Exadata からリース契約した数台のIAサーバに一旦Oracle EEのまま移行し、その後に各事業部のシステムの都合に合わせて移行スケジュールを組んでもらうことにしました。

また、移行にあたっては、同社はシステム開発を内製しているため、アクアシステムズは難易度の高いSQLや機能変換と、クラウド上でのデータベース設計を中心に支援するという方針で進めることになりました。

移行を推進しながらアクアシステムズの運用サービス採用で運用品質を向上。TCO40%削減を実現

移行前の同社データベース運用体制は不十分で、DBMS不具合による障害等に即応できない状態でした。そこで、クラウド移行によって大きく削減されるコストの一部を運用改善に充て、品質を向上することにしました。夜間休日でも利用される重要度の高いシステムもあることから、アクアシステムズの運用サービスを採用し、リモートで24時間※トラブルシューティングに対応できる体制を整えました。※ ベストエフォートで24時間365日障害対応

これまでトラブルの原因となっていたパッチ適用漏れや、性能劣化傾向を把握できていなかった問題に対応し、プロアクティブな不具合情報の収集やキャパシティプランニングに対応した結果、トラブル件数を半分以下に減少させることができました。利用者の満足度を上げながら、TCOを40%削減できたことは大きな成果でした。

このような成果を得ることができたのは、「データベース移行を正しく計画できた」からで、またそれは、どんなデータベースでも対応できる「中立的なアセスメント」を実施することができたからと高い評価をいただきました。

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